3)カメラの手ぶれ補正機構

手ぶれ補正機構の分類とメカニズム
電子式手ぶれ補正

デジタルカメラやデジタルビデオカメラで搭載されることが多い。撮影可能領域を一定のサイズに狭め、撮影の際にバッファメモリに画像を読み込み、最初に撮影した画像とそれ以降に撮影した画像とを比較、そのはみ出し量を演算し、撮影可能領域を自動的にずらして撮影し記録する。撮影可能領域がイメージセンサーの内の一定部分しか使われないため、イメージセンサーの能力を完全に引き出せないのと、動画には比較的効果があるが、静止画には有効ではないという欠点がある。静止画用の電子式手ぶれ補正には他に撮影後の画像を加工(レタッチ)する事によって見かけ上、ブレを少なく見せるタイプのものもあり、共に電子式、又はデジタル式手ぶれ補正と呼ばれる。この方式もノイズの強調などの画像の劣化を招く。

光学式手ぶれ補正
写真レンズ内に振動ジャイロ機構を備えた補正レンズを組み込み、ブレを打ち消す方向に補正レンズを動かす事によって光軸を補正する。これにより受光面(フィルムやイメージセンサー)に到達する光の動きを抑えることで手ぶれを軽減させる。電子式手振れ補正よりも画質劣化が少ない。キヤノンのIS(Image Stabilizer)方式、ニコンのVR(Vibration Reduction)方式、ソニーのSuper Steady Shot方式(Cyber-Shot)、松下電器産業のMEGA OIS方式、シグマのOS(Optical Stabilizer)方式、タムロンのVC(Vibration Compensation)方式などがこの方式を用いている。

ニコンが1994年に発売した、光学式手ぶれ補正方式を採用した世界初の35mmコンパクトカメラ「ニコンズーム700VRQD」はこの方式。これに先がけてキヤノンは1992年にバリアングルプリズム内蔵ビデオレンズ「T10G-RF」を発売、これを搭載した一般向けビデオカメラ「ムービーボーイE1」を1994年に市販した。そして1995年には一眼レフカメラ「EOS」用望遠ズームレンズにIS方式として用いた。また、同年はキヤノン製双眼鏡にも同機構が組み込まれるなど、手ぶれ補正機構が幅広く利用される、その幕開けとなった。コンパクトデジタルカメラでは、オリンパスが2000年8月にCAMEDIA C-2100 UltraZoomでキヤノン製の手ぶれ補正機構を搭載。キヤノンもこれに続いてPower Shot Pro 90ISをリリースした。松下は1988年に民生機としては世界初となる光学式手ぶれ補正機構を搭載したビデオカメラ「PV-460」(北米向け品番 国内には翌1989年にNV-M900として発売)を世に送り出すも、レンズ鏡筒全体を動かすという方式のためどうしても大型化してしまい、小型化のため電子式に転換せざるをえなかった。しかし、電子式のシステム上の限界や画質向上のため再度光学式に挑む事になり、1999年によりコンパクト化した光学式手ぶれ補正機構を搭載したデジタルビデオカメラ「NV-DS9」を発売、この技術がその後の松下製デジタルカメラにも用いられることとなる。

Category : 手ぶれ補正機構